研究課題
奨励研究
インフラマソームとは、病原微生物や代謝産物などの分子パターンを認識して活性化する細胞質内蛋白質複合体の総称であり、炎症性サイトカインであるIL-1βやIL-18の産生を誘導することで、炎症反応を惹起する。インフラマソームは、リガンドを認識するNod-like receptors(NLR)s、IL-1β前駆体を切断して活性化する酵素であるcaspase-1、それらのアダプター分子として働くASCにより構成されている。多くのNLRsが、遺伝性炎症疾患やメタボリックシンドロームと関連していると報告されているが、直接活性化する物質や化合物については不明である。そこで本研究では、インフラマソーム構成蛋白質を、コムギ胚芽無細胞合成技術により合成し、試験管内でインフラマソームの再構成を行い、Alpha(Amplified Luminescent Proximity Homogeneous Assay)と組み合わせることによって、インフラマソームを活性化する分子や、阻害分子を探索するシステムを構築し、炎症反応を惹起する分子機構の解明や、炎症疾患の分子標的薬の開発を目的とする。これまでに、多くの研究報告がなされているNLRP3、NLRC4、NOD1、NOD2を、コムギ胚芽無細胞蛋白質合成技術を用いて合成することができた。これらの蛋白質についてFlagタグ化、ビオチン化を行い、その近接をAlphaによって定量化することに成功した。以上の成果により、今後、炎症性疾患の原因となっている、NLRP3、NLRC4、NOD1、NOD2を標的とした創薬スクリーニングが可能になった。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)
Clinical Rheumatology
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