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血管作動性因子とその受容体調節システムを標的とした、血管性認知症の新規治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 16H00651
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 臨床医学B
研究機関株式会社日本生物製剤

研究代表者

五十嵐 恭子  株式会社日本生物製剤, 研究員

研究期間 (年度) 2016
研究課題ステータス 完了 (2016年度)
配分額 *注記
570千円 (直接経費: 570千円)
2016年度: 570千円 (直接経費: 570千円)
キーワードCGRP / アドレノメデュリン / 脳虚血
研究実績の概要

CGRPは、カルシトニン遺伝子のalternative splicingによって作られる生理活性ペプチドである。CGRPは中枢および末梢神経系に多く分布し、これまで主として、感覚神経の神経伝達因子や、血管周囲神経から分泌される血管拡張因子として捉えられてきた。その一方で、CGRPは、多彩な生理活性を有するペプチド因子、アドレノメデュリン(AM)のファミリー因子と考えられており、さらに両者は受容体を共用していることも明らかとなってきた。我々はこれまで内因性AMの脳虚血における神経保護作用を報告してきた。一方で、CGRPの脳虚血における意義は不明である。本研究では、CGRPノックアウトマウス(CGRP-/-)を用いて、片側中大脳動脈閉塞による虚血再灌流(MCAO)モデル、両側総頚動脈狭窄による慢性脳低灌流(BCAS)モデルを作成し、内因性CGRPの病態生理学的意義を検討した。
MCAO処置後、野生型マウスでは大脳皮質でのCGRPの発現充進を認めた。MCAO処置後のCGRP-/-では、野生型に比較して脳血流回復遅延を認め、炎症性サイトカイン発現と神経細胞死が亢進していた。一方、BCAS処置後慢性期の脳血流の検討では、野生型では、術後28日まで術前の80%程度の血流が維持されていたのに対し、CGRP-/-では緩徐な低下を示し、14日以後の血流量が有意に低下していた。CGRP-/-では、BCAS後慢性期の体重減少を認め、神経細胞の減少・変性、脱髄亢進、血管新生低下、アストロサイトの活性化、酸化ストレスレベルの亢進を認めた。CGRP-/-では、8方向放射状迷路において、所要時間の延長を認め、作業記憶および参照記憶エラーが増加しており、認知能の低下が確認された。
以上の結果から、内因性のCGRPは脳虚血において神経細胞に対し保護的に働き、高次機能維持に寄与していることが明らかとなった。

報告書

(1件)
  • 2016 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The endothelial adrenomedullin-RAMP2 system regulates vascular integrity and suppresses tumour metastasis2016

    • 著者名/発表者名
      Tanaka M, et al.
    • 雑誌名

      Cardiovascular Research

      巻: 111 号: 4 ページ: 398-409

    • DOI

      10.1093/cvr/cvw166

    • 関連する報告書
      2016 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 脳虚血において、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)は、神経障害と血管性認知症の進展を抑制する2017

    • 著者名/発表者名
      翟留玉、桜井敬之、神吉昭子、五十嵐恭子、新藤隆行, 他
    • 学会等名
      第46回日本心脈管作動物質学会
    • 発表場所
      沖縄 琉球大学
    • 年月日
      2017-02-10
    • 関連する報告書
      2016 実績報告書
  • [学会発表] 急性および慢性脳虚血におけるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の病態生理学的意義2016

    • 著者名/発表者名
      翟留玉、五十嵐恭子、桜井敬之、神吉昭子、新藤隆行, 他
    • 学会等名
      第34回内分泌代謝学サマーセミナー
    • 発表場所
      福岡 久山温泉ホテル
    • 年月日
      2016-07-14
    • 関連する報告書
      2016 実績報告書
  • [備考]

    • URL

      http://www7a.biglobe.ne.jp/~shindo/

    • 関連する報告書
      2016 実績報告書

URL: 

公開日: 2016-04-21   更新日: 2021-04-25  

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