研究実績の概要 |
1. 細胞病理学に関する英文論文が1本掲載され(Cytopathology, 2017)、2演題の学会発表を行った。 (1) 乳腺における、きわめて稀なlymphoepithelioma-like carcinomaを報告し、その細胞診断学的意義およびピットフォール、治療効果・予後予測因子として注目されているtumor-infiltrating lymphocytes(TIL)との密接な関連性について提示した。 (2) 同じ乳癌特殊型であるsolid-basaloid featuresを有する稀な乳腺腺様嚢胞癌(SBACC)の細胞病理学的特徴および診断学的手がかりを分析した。同時にSBACCの発生頻度(全乳癌の0.4%)も初めて示した。 (3) 脈絡叢乳頭腫の細胞学的特徴を報告した。 2. その他、needle implantationから再発を来たした乳腺神経内分泌腫瘍を初めて報告した。本内容は、2015年に英文論文としてVirchows Archに掲載されており(doi : 10.1007/s00428-014-1704-5)、国際学会(European Congress of Pathology)で発表の後、日本内分泌病理学会でトラベルグラントを受賞した。 3. さらに、aberrant CD56 expressionを示すB-cell lymphoma(DLBCL)を泌尿器系で初めて報告し(JClin Pathol, 2016)、同発現の意義と予後との相関、診断学的意義についてディスカッションを行った。
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