研究課題
基盤研究(A)
覚醒マウス高次視覚野の応答を解析したところ、動く図形刺激に対して聴覚野周辺の後方から腹側部分が応答した。高次視覚野の図形認知を担う部位はこれらを含む広範な皮質部位であると思われる。視覚刺激に対する連想聴覚野応答解析を解析したところ、前聴覚野を中心とする領野で観察された。連想記憶の形成には、刺激複雑さが必要であり、この複雑さが刺激の特徴を形成して記憶されると思われる。図形認知機能は視覚的意識と関連している。ヒトで一次視覚野が損傷され、視覚的意識が障害された患者に動的視覚刺激を繰り返し提示すると、視覚刺激を知覚する確率が増強し、障害視野に提示されたひらがなを読めるまで図形認知機能が回復した。
我々は覚醒マウスの高次視覚野応答を解析し、高次視覚野が聴覚野の腹側まで広がっているという新知見を得た。またその部位の性質は一次視覚野の性質と大きく異なることが判った。これらの成果は、図形認知機能の分子機構解明に有用である。図形認知機能は、視覚的意識にかかわるが、視覚的意識を調べるためには、言語による報告が可能な人間を解析対象とする必要がある。我々は一次視覚野が脳梗塞によって障害された被検者の文字を読む図形認知機能について解析し、これらが動的視覚刺激の繰り返し提示によって回復することを示した。本研究の成果は、皮質盲の診断や治療といった臨床医学的観点からも有用であると考えられる。
すべて 2020 2019 2018 2017 2016
すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 1件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 12件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 産業財産権 (2件) (うち外国 1件)
Frontiers in Neurology
巻: 11 ページ: 1-7
10.3389/fneur.2020.00069
Sci Rep.
巻: 9 号: 1 ページ: 19610-19610
10.1038/s41598-019-56092-9
PLoS One
巻: 14 号: 10 ページ: 1-13
10.1371/journal.pone.0223242
Eur J Neurosci
巻: 50 号: 6 ページ: 2970-2987
10.1111/ejn.14424
J Physiol.
巻: 597 号: 13 ページ: 3441-3455
10.1113/jp277615
Cereb Cortex
巻: 28 号: 12 ページ: 4424-4439
10.1093/cercor/bhy234
Scientific Reports
巻: 8 号: 1 ページ: 11136-11136
10.1038/s41598-018-29530-3
巻: 8 号: 1 ページ: 9616-9616
10.1038/s41598-018-28034-4
巻: 13 号: 2 ページ: e0193017-e0193017
10.1371/journal.pone.0193017
巻: 7 号: 1 ページ: 12646-12646
10.1038/s41598-017-04007-x
Front Neural Circuits
巻: 11 ページ: 14-14
10.3389/fncir.2017.00014
Neurosci Lett
巻: 637 ページ: 26-30
10.1016/j.neulet.2016.11.062
巻: 6 号: 1 ページ: 34421-34421
10.1038/srep34421