研究課題
基盤研究(A)
本研究では、疎水性および疎水・親水性からなるモデル表面を形成し、その表面の濡れ性挙動およびその表面における吸着水の吸着力を調査した。その結果、異なるアルキル鎖長を有する2種類の有機シラン分子を被覆することで、低ヒステリシス表面が形成されることを明らかにした。数種類のプローブ液体を用いた接触角測定の結果から、この表面に存在する分子欠陥や細孔の面積は0.31-0.36 nm2以下であることを明らかにした。疎水性、疎水性・親水性混合表面のモデル表面におけるフォースカーブ測定の結果から、吸着力は静的接触角の大小関係と対応していることを明らかにした。
本課題を通し,従来の熱力学的・速度論的観点から得られる表面の物理化学的特性および水の動的挙動と吸着水の構造との関係を体系化させることができたと考えられる。また、接触角ヒステリシスの低い表面を形成させるためには、分子密度の制御が重要であることを明らかにした。これらの点に学術的意義がある。水の動的挙動(濡れ性)を制御可能な表面処理技術は,材料表面からの液滴の除去効率を大幅に改善できるため,バイオチップ,電子,自動車,半導体産業等に対し,省エネの観点から幅広い産業への波及効果が期待できる。
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