研究課題
基盤研究(A)
アーバスキュラー菌根菌はMycファクターと呼ばれる共生シグナルにより植物の共生応答を誘導して感染・共生する。本研究では、これまでに同定されていたMyc-LCOとキチンオリゴ糖に加え、新規Mycファクターとして部分N-脱アセチルキチン3糖を生物有機化学的アプローチにより同定した。本オリゴ糖は従来のMycファクターオリゴ糖とは異なり、植物の共通共生経路(common SYM pathway)非依存的に共生応答を活性化することが分かった。
植物は共生菌や病原菌に由来する様々なキチン質オリゴ糖を識別して適切な共生・防御応答を示すと考えられている。生理活性オリゴ糖では鎖長が重要な構造的要素であり、一般に4糖以上のものが強い活性を示す。本研究で同定した短鎖のヘテロキトオリゴ糖やキトサンオリゴ糖は3糖が最も強い活性を示す。このような短鎖長のオリゴ糖の共生における関与は全く新規の発見であり、植物微生物相互作用研究において新たな展開をもたらすことが期待される。
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