研究課題/領域番号 |
16H02737
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
石井 香世子 立教大学, 社会学部, 教授 (50367679)
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研究分担者 |
荻巣 崇世 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任助教 (00743775)
酒井 千絵 関西大学, 社会学部, 教授 (30510680)
陳 天璽 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (40370142)
岩井 美佐紀 神田外語大学, 外国語学部, 教授 (80316819)
工藤 正子 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (80447458)
横田 祥子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 講師 (80709535)
床呂 郁哉 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90272476)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
23,660千円 (直接経費: 18,200千円、間接経費: 5,460千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2018年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2017年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2016年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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キーワード | 移民 / 市民権 / アジア / 子ども / 移動する子ども / トランスナショナル階層 / 境界 / ボーダー / 移動する子供 |
研究成果の概要 |
本科研共同研究では、東・東南アジア圏にまたがる移民の移動圏を分析範囲として、移民送出し社会と受入れ社会の双方から、移民の再生産の権利を、「子ども」という分析視座を用いて分析した。この分析研究を通じて、公的な制度としての市民権の保障枠組みと、実態としての市民権行使のあいだには乖離があることが浮き彫りにされた。今日では、長期にわたり国境を越えて繰り返される移動の契機と経路が複雑化している。これにより、国家レベルの保障枠組みから「とりこぼされる」存在が、分析対象のどの地域にも存在することがわかった。移民(労働者)の子として成長・社会化する人々は、この面の脆弱性が高い存在であることもわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既存研究において欧米諸国で暮らす移民に関する研究として実施されることの多い研究主題を、東・東南アジアの移動圏を研究対象として実施したことで、人種・民族の違いに基づく差別問題の近接枠組みで分析されることも多い点を、近代国家における移民制度と国籍・市民権制度そのものの構造的問題性として分析する視座を提供できたと考える。これを通じて、国民国家制度が前提とする「国民」とそれ以下のグループの人々、両者の境界付近に位置する人々が、いかに公的ルールの狭間に落ち込んでいるかについて、分析枠組の提示が必要である点を示したといえよう。社会的にも、無国籍の子どもたちへの注意喚起を促す意義があったと言えよう。
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