研究課題
基盤研究(B)
ヒトを対象とした心理物理実験・非侵襲脳機能計測と、動物を対象とした検討を組み合わせた統合的アプローチにより、人間の可聴域上限をこえる超高周波が脳に及ぼす影響であるハイパーソニック・エフェクトの発現機構を解明することを目的とした。通常の飼育環境に超高周波を含む自然環境音を加えて音環境を豊かにすることにより、マウスの自然寿命が延長することが示された。また超高周波を含む音環境の違いにより、マウスの行動やコルチコステロンレベルが有意に影響を受けることが明らかになった。超高周波成分を豊富に含む音によって導かれるトランス現象の自発脳波記録により、報酬系神経回路が活性化することが示唆された。
感性脳科学領域におけるハイパーソニック・エフェクトの発見は、音響産業に顕著なインパクトを与え、可聴域上限を超える周波数成分まで記録できるデジタル音メディア、いわゆる「ハイレゾ・オーディオ」開発の直接の引き金となった。一方、若者撃退用の「モスキート音」のように、人間の可聴域上限付近の周波数帯域における特定の構造をもった音が、不快感と逃避行動を引き起こす現象が知られており、情報環境の安全性の観点からの検討も急務となっている。ハイパーソニック・エフェクトの持つ感性反応とその生理学的意義を明らかにした本研究は、感性脳科学を確立する上で意義深い。
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