研究課題/領域番号 |
16H02999
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
持続可能システム
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
山田 佳裕 香川大学, 農学部, 教授 (30297460)
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研究分担者 |
中野 孝教 総合地球環境学研究所, 研究部, 名誉教授 (20155782)
申 基チョル 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 准教授 (50569283)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2016年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
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キーワード | 水利用 / 生態系 / 河川 / 一次生産 / 光合成 / 灌漑 / 堰 / 香川県 / 植物プランクトン / 水資源 / 安定同位体比 / 有機物汚濁 / 降水量 / 水質汚濁 / トレーサー / ため池 / 有機物 / Sr安定同位体比 / 魚類 / 水循環 / 水安定同位体比 / 香川 / 流域 |
研究成果の概要 |
本研究では、灌漑による水利用が多い河川の持続的な水循環と生態系の構築に資する目的で、河川の有機物汚濁のメカニズムを解析した。河口堰でのPOC量に占める内部生産量は50%程度であった。灌漑期には、Microcystis属が一次生産を担い、総生産量は霞ヶ浦に匹敵していた。夏期には中流以降でため池等から種が供給され、河川中の栄養塩を用いた光合成が行われていた。冬期は活性が弱い珪藻が優占したが、水の滞留時間が長くため、濃度は高くなった。灌漑を目的とした河川構造は水の少ない非灌漑期に流れを分断し、水の滞留時間が増大させる。その結果、生産活性が低くても多くの植物プランクトンを水中に蓄積させていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多くの河川は水利用のために分断されている。現在の日本では、短い滞留時間と豊富な水量により、その影響は軽微なようにみえるが、将来的に降水量の減少によるリスクを常に抱えていることを認識しないといけない。このような視点から、研究成果は、陸域と海域における水・物質循環の適切なバランスを管理するための研究に発展させ、今後の気象変動に対応した水利用、生物生産(食料生産)に関する長期的危機管理対策の提案につなげたい。さらに、原発事故以来、放射性物質の動態や食物連鎖への移行に関する解析の難しさから、陸域から海域への物質輸送モデル構築の必要性が認識されている。このような分野にも大きく貢献出来る。
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