研究課題
基盤研究(B)
集積化電極アレイを利用した培養神経回路の電気活動計測により,即効性抗うつ効果を有する薬理活性物質の探索を行なった.有効であるが副作用ゆえ使用が制限されるケタミンに加え,NMDA受容体にケタミンと同様開孔性アンタゴニストとして作用するメマンチン(抗うつ作用,副作用とも示さない),ラニセミン(弱い抗うつ作用を有する)投与に対する神経活動変化を比較した結果,バースト発火を生じるニューロン群が特異的な薬理応答を示すことが明らかになった.ニューロン種,受容体のサブユニット構成を明らかにすることにより,抗うつ効果を発揮するメカニズムの理解,新規薬理活性物質の探索が期待できる.
現在一般に用いられている抗うつ薬は効果が現われるまでに数週間を要するという課題があり,即効性抗うつ効果を有するが副作用ゆえに使用が制限されているケタミンに代わる薬理活性物質が求められている.本研究では培養系に維持した神経細胞群を利用して,ケタミンを含む3種類の薬物の作用を調べた.大脳皮質に含まれる多様な細胞の中で特定のグループが特殊な薬理応答を示すという結果が得られた.この細胞群を特定し,関与する受容体のサブユニット構成などを調べることにより,抗うつ効果を発揮するメカニズムの理解が進み,新たな薬理活性物質の探索が期待できる.
すべて 2019 2018 2017
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 5件)
Integr. Biol.
巻: 9 号: 8 ページ: 678-686
10.1039/c7ib00051k
IEEE Trans Biomed Eng.
巻: 印刷中 号: 11 ページ: 2555-2561
10.1109/tbme.2016.2639468