研究課題
基盤研究(B)
テルペン環化酵素は、直鎖化合物から複雑な環構造をもつ低分子化合物を一挙に構築する鍵酵素である。一つの活性部位で全ての反応が進行するため、その反応制御機構などには不明な点が多い。本研究課題では、申請者らが世界で初めてみつけたセスタテルペン環化酵素(炭素数25)の機能解析、分子系統樹解析を行うことで、環化酵素のアミノ酸配列と初発の環化機構との間には明確な関連性があることを実証し、セスキテルペン環化酵素(炭素数15)を例としてその一般性を検証した。さらに、分子系統樹解析で同じクレードに分類された環化酵素は、類似の経路を経て環化体を生成していることも明らかにした。
テルペン環化酵素によって構築される天然有機化合物の中には、医薬品や香料などとして利用されているものが多い。抗マラリア剤として利用されているアルテミシニンが代表的な例である。本研究により、分子系統樹解析を用いて標的遺伝子を選択することで構造類縁体の網羅的かつ集中的な生産が可能であることが明らかになったため、将来的には、指数関数的に増加する遺伝子情報の中から新たな医薬品シードとなる環化体を与える酵素遺伝子を論理的に探索できるようになると考えている。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
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