研究課題/領域番号 |
16H03360
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 靖子 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (70262483)
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研究分担者 |
大平 徹 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (20543474)
戸田山 和久 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (90217513)
大平 英樹 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (90221837)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2017年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2016年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 集合的記憶 / 確率共鳴 / 同期現象 / 身体受容感覚 / 情報理論 |
研究成果の概要 |
本研究は、集団が伝承や伝統を通して暗黙裡に共有する「集合的記憶」の概念を、数理物理学から生まれた「確率共鳴」理論や神経科学における身体の内受容感覚モデルを応用し、世代を超えた「記憶の共有」という現象を、「共振・共鳴」という身体現象を指標として考察した。メンバーがみな互いに異なる領域をフィールドとするため、毎年研究会を継続し、それぞれの知見を交換しあうと共に、その成果は、毎年メンバーが各自国際研究集会で発表してきた。最終年度の成果として、メンバーの一人は国際研究集会における発表に対し受賞し、代表者が編者となって平成30年度研究成果公開促進費(学術図書)の助成を受け、論集(総580頁)を刊行した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
集合的記憶が問題となるのは、戦争の記憶やその継承において、集団における記憶の共有が共同性の礎をつくるのか、それとも共同性が記憶の共有を可能とするのかという問いを提起するからである。私たちは、自分が生い育った文化的空間の中で、無自覚のうちに多くの記憶を背負っている。そのために、心理的のみならず、身体的な観点からも、共鳴という現象を考察する必要があるのである。身体受容感覚における生成モデルや確立共鳴理論への参照は、政治的イデオロギーや「民族」などナショナルな枠組みとは別の形で記憶の継承を論じる可能性を開くという点で、新しい視座を獲得するものであった。
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