研究課題/領域番号 |
16H03505
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
熊木 俊朗 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (20282543)
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研究分担者 |
福田 正宏 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (20431877)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2018年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2016年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 考古学 / 擦文文化 / オホーツク文化 / アイヌ文化 / 北海道 / 文化接触 |
研究成果の概要 |
アイヌ文化形成史上の画期とされる擦文文化中期(9世紀末頃)に生じていた社会変動の背景を解明するため、北見市大島2遺跡にて擦文文化の竪穴住居跡の発掘調査を実施した。この遺跡では過去の調査で立地や生業、儀礼等に特異性が認められており、その背景の考察に重点を置いて発掘を実施した結果、遺跡からは竪穴住居の廃絶儀礼の痕跡が高い頻度で確認された。一方で、特異性の原因として想定されてきたオホーツク文化からの影響についても、建築材の選択などの点に確認された。これらの点から、擦文文化中期の社会変動においては、オホーツク文化からの影響を従来より多く見積もる必要があることが明らかにされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、擦文文化後半期の集落遺跡の発掘調査を通じて、当該期における居住形態や儀礼の具体像を明らかにし、その系譜について検討した。近年の日本史学では、日本列島の北方史における転換点が古代から中世への移行期にあることが指摘されているが、本研究ではアイヌ文化の成立直前期に相当する擦文文化後半期における居住形態や精神文化の分析を通じて、この転換点における社会変動や、オホーツク文化など周辺社会との交流の内容を明らかにした。これは考古学のみならず、古代から中世の日本列島を含めた東北アジア全体の歴史研究に資する成果と言える。
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