研究課題/領域番号 |
16H03594
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国際関係論
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研究機関 | 京都外国語大学 |
研究代表者 |
菅 英輝 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (60047727)
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研究分担者 |
青山 瑠妙 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 教授 (20329022)
鄭 敬娥 大分大学, 教育学部, 教授 (30363542)
李 弘杓 九州大学, 法学研究院, 教授 (50324380)
妹尾 哲志 専修大学, 法学部, 教授 (50580776)
三牧 聖子 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (60579019)
藤本 博 南山大学, 外国語学部, 研究員 (70165421)
初瀬 龍平 京都女子大学, 法学部, 客員教授 (40047709)
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研究協力者 |
浅野 豊美
ホルバート アンドリュー
徐 顕芬
中島 琢磨
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2018年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2017年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2016年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 歴史認識問題 / アジア太平洋 / 国際関係の構造変動 / ドイツ・モデルとの比較 / 和解可能性 |
研究成果の概要 |
第一に、歴史和解の促進という観点から、歴史摩擦とパワー・安全保障の相互作用がもたらす悪影響を抑制するためには、伝統的な二国間同盟を通じた歴史問題の管理は有効ではなく、多国間安保協力による緊張緩和と信頼醸成措置の向上が必要である。第二に、市民社会内部での歴史認識をめぐる対立が激しくなっていることから、市民社会相互の交流拡大がただちに歴史和解を促進する構造になっていない。第三に、東アジアでは、「ドイツ・モデル」を和解の成功例だとみなして、日本の歴史認識への取り組みの不十分さを批判する傾向が強いが、ドイツの事例はそれほど単純ではなく、より慎重な対応と相対化が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
(1)東アジアにおいては、歴史摩擦とパワー・安全保障が連動する中、相互の悪循環を断ち切るためには、多国間安保協力による緊張緩和が歴史和解にとって効果的である。 (2)歴史認識問題でも社会の分極化現象が見られることから、市民社会の交流拡大が歴史和解につながるという構図にはなっていないことも明らかになった。政治家レベル、市民社会レベルが相互に連携して歴史和解を促進するような条件をどう作っていくかが問われている。 (3)「ドイツ・モデル」の相対化は、和解の双方向性という観点からも、また加害・被害の二項対立を乗り越えるためにも有益である。以上の知見は、学術的にも社会的にも和解にとって意義深いと考える。
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