研究課題
基盤研究(B)
児童思春期でのいじめ被害は,思春期以降に幻覚様体験を体験するリスクを上昇させる.思春期のいじめ被害は,解離症状を経て,幻覚様体験につながることが理論的に示唆されているが,実証データは乏しく,生理的基盤も不明である.本研究では,大規模思春期縦断コホートデータ(N=3000超)を用いて,①いじめ被害と幻覚様体験の間を,解離症状が媒介すること,②解離症状の基盤として,ストレスホルモン代謝と関連の強い代謝産物の存在が見出された.本研究の結果から,思春期のいじめ被害による強いストレスが,トラウマ体験による解離症状を引き起こし,その結果幻覚様体験につながる心理的プロセスと生理的基盤が明らかになった.
本研究を通じて,①いじめ被害と幻覚様体験の間を,解離が媒介することを,大規模思春期縦断コホートデータから確認した.加えて,②解離症状の基盤として,ストレスホルモン代謝と関連の強い代謝産物の存在が見出された.本研究の結果から,いじめ被害などの強いストレスによるトラウマ体験により,解離症状が引き起こされ,その結果幻覚様体験につながる一連の心理的プロセスが示唆された.解離症状の生物学的基盤として,ストレスホルモン代謝の中枢である視床下部-下垂体-副腎皮質系(HPA 系)が関わる可能性が,本研究のデータからも示唆された.
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 4件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
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