研究課題
基盤研究(B)
原子核の励起状態であるアイソマー状態は、原子核物理学として大いに興味深い研究対象であるだけでなく、宇宙物理学からもその重要性が指摘されているが、その寿命の短さから核半径測定などは困難であった。そこで、原子核衝突の確率である反応断面積という物理量を用いてアイソマー状態核半径を測定する手法を確立することを目指した。その結果、わずか5 μsの半減期を持つ16N(0-)アイソマー状態について、反応断面積の測定から、基底状態とは大きく異なる核半径を持つらしいことを突き止めた。この結果は、宇宙の中、特にビッグバン過程や恒星中での核反応による元素合成の速さの、より正確な見積もりに寄与することが期待される。
16N(0-)アイソマー状態の核半径についての情報が得られたことは、この状態の原子核構造に対する重要な知見が得られたというだけでなく、宇宙環境における元素合成の理解に大いに寄与する。開発した新しいアイソマー状態の核半径決定法は、同様な宇宙物理で興味が持たれるアイソマー状態の核構造決定に利用できる。また、研究の過程で開発した新しい粒子検出器群、例えば重イオン用リング・イメージング・チェレンコフ検出器(速度分解能 0.05 %)は、他の実験核物理分野の多くの研究に利用できる。
すべて 2020 2019 2018 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (24件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件) 学会発表 (23件) (うち国際学会 9件、 招待講演 2件)
Physical Review Letters
巻: 124 号: 10
10.1103/physrevlett.124.102501
学位論文(修士)、埼玉大学理工学研究科物理機能系専攻
巻: 1 ページ: 1-75
巻: 1 ページ: 1-88
学位論文(修士)、大阪大学理学研究科物理学専攻
巻: 1 ページ: 1-108
学位論文(修士)、新潟大学自然科学研究科物理学専攻
巻: 1 ページ: 1-85
巻: 1 ページ: 1-89
大阪大学理学部物理学科卒業論文(学士)
巻: 1 ページ: 1-35
巻: 1 ページ: 1-70
新潟大学理学部物理学科卒業論文(学士)
巻: 1 ページ: 1-51
巻: 1 ページ: 1-50
Nuclear Instr & Meth.
巻: 931 ページ: 23-28
10.1016/j.nima.2019.03.085
2018 年度放射線医学総合研究所 重粒子線がん治療装置等 共同利用研究報告書
巻: QST-R-13 ページ: 151-152
巻: 1 ページ: 1-82
巻: 1 ページ: 1-52
巻: 1 ページ: 1-60
巻: 1 ページ: 1-45
2017 Annual Report of the Research Project with Heavy Ions at NIRS-HIMAC
巻: QST-R-8 ページ: 131-132
大阪大学理学研究科物理学専攻修士論文
巻: 1 ページ: 1-78
東京理科大学大学院理工学研究科物理学専攻修士論文
巻: 1 ページ: 1-122
巻: 1 ページ: 1-40
巻: 1 ページ: 1-43
2016 Annual Report of the Research Project with Heavy Ions at NIRS-HIMAC
巻: QST-R-6 ページ: 157-158
ACTA PHYSICA POLONICA B
巻: 48 号: 3 ページ: 409-414
10.5506/aphyspolb.48.409