研究課題/領域番号 |
16H03988
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
西村 淳 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (90273218)
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研究分担者 |
松古 栄夫 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助教 (10373185)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2017年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2016年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 格子ゲージ理論 / 量子色力学 / 有限密度系 / 符号問題 / 複素ランジュバン法 / 素粒子論 |
研究成果の概要 |
有限密度下における量子色力学の性質を第一原理計算により明らかにすることは、符号問題のため極めて困難である。我々は最近進展が目覚しい複素ランジュバン法を用いて、この難問に挑戦した。特にL=16, T=32という格子を用いた低温領域の計算では、化学ポテンシャルがある値より大きい領域において、クォーク数密度が一定値をとるという振る舞いが確認できた。又L=24, T=12という格子を用いた有限温度領域の計算では、化学ポテンシャルを変えながら、有限温度で起こるクォーク・グルーオン・プラズマ相への転移を確認しようとしたが、閉じ込め相に入る直前で複素ランジュバン法が破綻することが結論づけられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これらの計算は、これまでのQCDの第一原理計算では決して調べられなかったパラメタ領域でなされたものである。特に低温での結果は、ゼロ運動量のクォークが凝縮し始め、フェルミ面が形成され始めていることを明確に示している。今後、格子サイズを大きくすることにより、カラー超伝導などの現象を解明できる可能性を示唆する点において重要である。また高温での結果は、方法論が破綻するか否かで相転移がおこる相境界を決定できる可能性を示唆するとともに、非閉じ込め相で詳細な計算ができることを示している。このように、QCDのカラー超伝導相やクォーク・グルーオン・プラズマ相の性質を研究する礎が構築できた点に大きな意義がある。
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