研究課題/領域番号 |
16H04003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
溝口 幸司 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10202342)
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研究分担者 |
大畠 悟郎 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10464653)
田中 智 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80236588)
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研究協力者 |
萱沼 洋輔 東京工業大学, フロンティア材料研究所, 特任教授 (80124569)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2017年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2016年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
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キーワード | 光物性 / 微小共振器 / 結合状態 / 量子閉じ込め / Fano的干渉 |
研究成果の概要 |
本研究では,光子,励起子,フォノンなどの量子間に生じる結合現象やFano的干渉現象の関係を明らかにするため,様々な試料構造を有するCuCl半導体微小共振器における光学応答スペクトルについて研究を行った。その結果,緩和時間を持つ量子間で相互作用がある系で,お互いのエネルギーが近くなると,量子状態間の結合状態の変化に関わらず,非対称な光学応答スペクトルが現れることを見出した。新たに構築した複素スペクトル理論を基に表される現象論的非エルミート有効ハミルトニアンを用いることで,半導体微小共振器に観測されるピークエネルギー,半値幅およびスペクトル形状の入射角依存性が説明できることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
様々な緩和時間を有する量子間で相互作用がある場合,量子間で結合力の強弱に関わらず,量子間のエネルギーが共鳴状態に近くなると,光学スペクトルは非対称なスペクトルとして観測されることが明らかになった。この結果は,不連続準位と連続準位との相互作用によって生じるFano干渉の非対称スペクトルの出現と同様に,不連続準位間でも非対称なスペクトルが現れることを示している。非対称性の度合いは観測している環境に依存するが,この非対称なスペクトルの出現は普遍的な現象であることから,今後種々の結合状態の解明に役立つと考えられる。
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