研究課題/領域番号 |
16H04077
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
大内 智博 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 講師 (60570504)
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研究分担者 |
雷 興林 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究グループ長 (70358357)
GREAUX Steeve 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 特定研究員 (90543166)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2018年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2016年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
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キーワード | 稍深発地震 / 深発地震 / アコースティックエミッション / スラブ / 水 / 断熱不安定 / 断層 / ダナイト / ハルツバーガイト / サイレント地震 / 微小破壊音 / カンラン岩 / 細粒化 / カンラン石 / 地震予知 / D-DIA型変形装置 / スラブ内地震 / 高圧力 / その場観察実験 |
研究成果の概要 |
稍深発地震や深発地震の多発するスラブ内深部の温度圧力条件下(500-1000℃、1-17 GPa)におけるカンラン岩の破壊実験を行ったとともに、それに要する技術開発を行った。特に稍深発地震発生場の温度圧力条件下(500-1000℃、1-3 GPa)で行った実験では、系に水性流体が存在する非排水条件下での場合では微小破壊音の発生を伴わずに断層形成が進行した。その一方で、水性流体が排水される場合では、微小破壊音の発生を伴いながら断層形成が進行した。以上の結果は、水性流体は稍深発地震の発生を抑制することを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本列島をはじめとした、沈み込み帯の深さ30-150kmにて頻発する稍深発地震の発生メカニズムを実験的に解明した。プレートの岩石の一部分に『変形のエネルギー』が局所的に集中することで、部分的に岩石が溶融し、その結果岩石の強度が大幅に低下し断層形成及び地震発生に至るということを明らかにした。この発見により、「稍深発地震は地球深部水によって誘発される」といった従来の説が覆された。加えて、稍深発地震の発生は水性流体が存在することによって抑制される可能性があることも実験的に示した。この結果は今後の追加実験を要するものの、この原理が確かであれば、将来的には防災への応用が期待される。
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