研究課題
基盤研究(B)
独自開発の炭素架橋オリゴフェニレンビニレン(COPV)誘導体のラジカルカチオンおよびジカチオンを用いた評価から、COPVの理想的な電子共役効果による電荷の非局在化効果ならびに電子ワイヤとしての有用性を示す結果を得た。また、空間を介した電子的相互作用を評価するためのダブルデッカー型COPV誘導体の合成にも成功した。さらに、開殻系ならびに励起状態の安定性向上のための熱力学的および速度論的安定化効果を有する誘導体の合成と安定性評価からその有用性を確認した。基礎研究の成果から派生した単分子デバイス応用においても常温共鳴トンネル現象の発現を確認した。
従来では、極低温で分子構造を物理的に「凍結」させた状態でしか観測されなかった機能が、化学的に分子構造が理想的な形に固定されたCOPVでは、室温でも優れた機能性を発現することが一連の研究によって明らかとなった。これは、単分子ワイヤの研究成果によって顕著に示されており、従来のトランジスタを10分の1程度のサイズ、100~1000倍程度の高速化を室温で実現する可能性が拓けた。また誘導化によって、目的とする性質をより優先的に発現したり高い安定性を実現したりするなど、構造-機能相関という学術的な観点に加えて社会実装のための基礎的かつ重要な知見を得た。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 7件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 7件、 招待講演 5件) 備考 (2件)
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