研究課題
基盤研究(B)
分子性強誘電結晶は含鉛セラミクス強誘電体の代替として大いに注目されている.本研究では,柔粘性/強誘電性イオン結晶という新しいタイプの分子性強誘電体を開発した.この結晶は,高温で柔粘性結晶となり,より低い温度で強誘電性結晶となる.このタイプの結晶は,高温の柔粘性結晶相が立方晶系の構造を持ち,電場印加による分極処理によって強誘電体の分極方向を三次元的にほぼ自在に変調できる.そのため,粉末試料を押し固めた試料でも単結晶と同じように大きな分極を示す.また,柔粘性結晶の展性を利用して,粉末試料から容易に自立多結晶フィルムを作製することが可能で,得られた多結晶フィルムは高い圧電性を示した.
現在広く用いられている高性能な強誘電体の多くは有毒な鉛を含むため,その代替材料の開発が強く求められている.本研究で開発した柔粘性/強誘電性イオン結晶は,分子性結晶の特長である溶媒に可溶で高い加工性をもち,無機酸化物の特長である高対称で自在な分極方向変調性を示すだけでなく,金属材料の特長である塑性加工性をも兼ね備えた非常にユニークな機能材料である.この材料の開発を進めることで,現在広く使用されている含鉛セラミクス強誘電体材料の代替となるだけでなく,これまでの材料にはない新しい用途が生み出されることが期待される.
すべて 2019 2018 2017 2016 その他
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (23件) (うち国際学会 9件、 招待講演 9件) 備考 (3件)
機能材料
巻: 39 ページ: 46-54
日本結晶学会誌
巻: 60 号: 2-3 ページ: 96-103
10.5940/jcrsj.60.96
130007383407
Materials Chemistry Frontiers
巻: 印刷中 号: 7 ページ: 1291-1295
10.1039/c7qm00587c
Crystal Growth & Design
巻: 19 号: 1 ページ: 291-299
10.1021/acs.cgd.8b01418
The Journals of Physical Chemistry Letters
巻: 9 号: 2 ページ: 420-424
10.1021/acs.jpclett.7b03053
Journal of Materials Chemistry C
巻: 5 号: 16 ページ: 4048-4052
10.1039/c7tc00446j
巻: 17 号: 5 ページ: 2682-2687
10.1021/acs.cgd.7b00182
Journal of the American Chemical Society
巻: 140 号: 1 ページ: 346-354
10.1021/jacs.7b10539
Dalton Trans.
巻: 46 号: 13 ページ: 4422-4429
10.1039/c6dt04418b
120006425606
Nature Chem.
巻: 8 号: 10 ページ: 946-952
10.1038/nchem.2567
120005981526
J. Phys. Chem. C
巻: 120 号: 21 ページ: 11545-11551
10.1021/acs.jpcc.6b02665
巻: 120 号: 31 ページ: 17537-17545
10.1021/acs.jpcc.6b05376
http://www.hokudai.ac.jp/news/160713_sci_pr.pdf
https://www.global.hokudai.ac.jp/blog/plastic-crystals-could-improve-fabrication-of-memory-devices/
https://wwwchem.sci.hokudai.ac.jp/~kotai/new/NCHEM2567.html