研究課題/領域番号 |
16H04422
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水工学
|
研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
宮本 仁志 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50283867)
|
研究分担者 |
戸田 祐嗣 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60301173)
赤松 良久 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (30448584)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2017年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2016年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
|
キーワード | 河川工学 / 環境水理 / 河道管理 / 河川樹林化 / 河川管理 / 環境水理学 / 水工学 |
研究成果の概要 |
河川の水害防御と環境管理に大きく関わる樹林化問題に対して、洪水後の植生再生過程に焦点を絞り、現象の実態把握と再生機構を検討した。利根川水系鬼怒川での現地調査では、植生繁茂の履歴に加えて、河床の掃流力・比高差など水理・地形条件が植生侵入に影響していた。鈴鹿川での調査では、砂州水際・砂堆背後で埋土種子量が大きいが、実際の発芽は好適な物理条件が満たされる場所にのみ生じる傾向があった。数理生態モデルの解析では、植生の侵入・成長が活発で樹林化傾向が顕著な河川がある一方で、洪水規模や河床低下が大きく裸地化傾向となる河川があり、植生の初期再生過程には流量・地形・植生の相互作用が大きく影響することがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本を含めた世界各地の河川流域において経年進行する河川の樹林化は、河川を管理するうえで様々な問題を引き起こす。これは、近年の地球温暖化で頻発している洪水の流下能力低下に加えて、河川下流域での流木被害、さらには、礫川原・砂州生態系の生物多様性の喪失にも繋がっている。本研究は、特に樹林化される河川において洪水後の初期再生過程の解明に焦点を絞ったものであり、河川本来の、砂州・礫河原が洪水により自律的に保全・維持されるための基礎過程の一部を実証的に明らかにしている。本研究の成果は、治水と環境のバランスを的確に考慮した、これからの新しい河川管理技術の確立のために重要な基礎的知見を与えるものとなっている。
|