ニオブ系無鉛圧電セラミックスの動的疲労現象解析

• 研究課題/領域番号: 16H04495
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 無機材料・物性
• 研究機関: 名古屋工業大学
• 研究代表者: 柿本 健一 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40335089)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2019-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2018年度)
• 配分額: 17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円); 2018年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円); 2017年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円); 2016年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
• キーワード: 環境材料 / セラミックス / 電子・電気材料 / 無鉛圧電体 / 疲労

研究成果の概要

温度／電界／力学負荷からなるマルチ負荷条件下におけるニオブ系無鉛圧電セラミックスの動的疲労現象を、有限要素解析プロトコルを組み込んだ「インバース法」、抗電界を上回る電界付与を可能とした「ハイパワーインピーダンス法」、酸素結合状態の解析が可能な「軟エックス線分光法」を併用して調べた。その結果、グレイン／ドメイン単位の疲労現象以外に、さらに構造階層が小さな、ペロブスカイト結晶構造中の酸素結合力やイオン分極量の低下も、圧電特性の劣化に寄与していることを明確化した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究では産業要請が強い圧電材料の無鉛化および高負荷耐性化に向けて、高負荷環境下での圧電諸物性における疲労特性やこれに及ぼす各構造階層の役割について、従前には報告例が乏しい新たな分析・解析手法によって、定性および定量的に精密評価した。その結果、環境対応の思想がまず先行した無鉛圧電材料において、実用化に繋がる本質的な基盤研究が進み、環境調和性を有する高性能無鉛圧電体の材料設計指針を得るなど重要な知見を得た。

研究成果

• [国際共同研究] University of Erlangen-Nuremberg(ドイツ)
• [国際共同研究] Univ. Erlangen-Nuremberg(ドイツ)
• [国際共同研究] Univ. Erlangen-Nuremberg(ドイツ)
• [雑誌論文] Analyses for oxygen vacancies in (Na,K)NbO3-series piezoelectric ceramics by soft x-ray emission spectroscopy (2019)
  • 著者名/発表者名: Tanaka Kiyotaka、Takatsuka Sayaka、Nishiyama Hiroshi、Kakimoto Ken-ichi
  • 雑誌名: AIP Advances 巻: 9 号: 4 ページ: 045102-045102
  • DOI: 10.1063/1.5089533
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] High-power impedance spectroscopy for lead-free alkali niobate piezoceramics (2017)
  • 著者名/発表者名: Nishiyama Hiroshi、Kakimoto Ken-ichi、Hatano Keiichi、Konishi Yukihiro
  • 雑誌名: Japanese Journal of Applied Physics 巻: 56 号: 10S ページ: 10PD07-10PD07
  • DOI: 10.7567/jjap.56.10pd07
  • NAID: 210000148375
  • 査読あり
• [雑誌論文] Ferroelastic behavior across the orthorhombic-to-tetragonal phase transition region of NKN-based lead-free ferroelectrics (2017)
  • 著者名/発表者名: Martin Alexander、Kakimoto Ken-ichi、Hatano Keiichi、Doshida Yutaka、Webber Kyle G.
  • 雑誌名: Journal of Applied Physics 巻: 122 号: 20 ページ: 204102-204102
  • DOI: 10.1063/1.4989759
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Temperature Dependence of Mechanical Degradation in Lead-free Alkali Niobate Ceramics under Unipolar Loading (2016)
  • 著者名/発表者名: A. Martin, K. Kakimoto, K. Hatano, Y. Doshida
  • 雑誌名: Mater. Lett. 巻: 175 ページ: 300-304
  • DOI: 10.1016/j.matlet.2016.03.103
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Temperature dependence of unipolar fatigue behavior of lead-free alkali niobate ceramics (2016)
  • 著者名/発表者名: A. Martin, K. Kakimoto, K. Hatano, Y. Doshida
  • 雑誌名: Journal of the Ceramic Society of Japan 巻: 124 号: 6 ページ: 730-736
  • DOI: 10.2109/jcersj2.15279
  • NAID: 130005155652
  • ISSN: 1348-6535, 1882-0743
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Determination of Temperature Dependency of Material Parameters for Lead-free Alkali Niobate Piezoceramics by the Inverse Method (2016)
  • 著者名/発表者名: K. Ogo, K. Kakimoto, M. Weiss, S. J. Rupitsch, R. Lerch
  • 雑誌名: AIP Advances 巻: 6 号: 6 ページ: 065101-065101
  • DOI: 10.1063/1.4953327
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Determination of Temperature Dependences of Material Constants for Lead-free (Na0.5K0.5)NbO3-Ba2NaNb5O15 Piezoceramics by Inverse Method (2016)
  • 著者名/発表者名: K. Yoshida, K. Kakimoto, M. Weiss, S. J. Rupitsch, R. Lerch
  • 雑誌名: Jpn. J. Appl. Phys. 巻: 55 号: 10S ページ: 10TD02-10TD02
  • DOI: 10.7567/jjap.55.10td02
  • NAID: 210000147189
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [学会発表] 疲労したニオブ系圧電セラミックスにおける酸素欠陥の挙動 (2019)
  • 著者名/発表者名: 前田晋朔、伊藤雄一朗、柿本健一
  • 学会等名: 日本セラミックス協会2019年年会
• [学会発表] Defect Charge Behavior in the Vicinity of Domain Walls (2018)
  • 著者名/発表者名: S. Maeda, H. Nishiyama, K. Kakimoto
  • 学会等名: 2018 ISAF-FMA-AMF-AMEC-PFM Joint Conference
  • 国際学会
• [学会発表] Ferroics and Electromechanical Coupling Property for NKN-Based Materials (2018)
  • 著者名/発表者名: H. Nishiyama, K. Kakimoto, K. Hatano, Y. Konishi, A. Martin, K.G. Webber
  • 学会等名: 2018 ISAF-FMA-AMF-AMEC-PFM Joint Conference
  • 国際学会
• [学会発表] Stress-induced Tetragonal-to-orthorhombic Phase Transition in Lead-Free NKN-based Materials and the Implications for Future Material Design (2018)
  • 著者名/発表者名: A. Martin, H. Nishiyama, K. Kakimoto, K. Hatano, Y. Doshida, K.G. Webber
  • 学会等名: 2018 ISAF-FMA-AMF-AMEC-PFM Joint Conference
  • 国際学会
• [学会発表] PFM Observation in the Vicinity of Domain Walls for (Na,K)NbO3 Ceramics (2018)
  • 著者名/発表者名: S. Maeda, Y. Ito, K. Kakimoto
  • 学会等名: 12th Japan-Korea Conference on Ferroelectrics
  • 国際学会
• [学会発表] (Li,Na,K)NbO3 圧電セラミックスの焼結組織と絶縁特 (2018)
  • 著者名/発表者名: 永松野愛、柿本健一
  • 学会等名: 日本セラミックス協会第31回秋季シンポジウム
• [学会発表] 圧電応答顕微鏡によるドメイン構造評価と酸素欠陥 (2018)
  • 著者名/発表者名: 前田晋朔、西山 拡、柿本健一
  • 学会等名: 日本セラミックス協会第31回秋季シンポジウム
• [学会発表] 繰り返し使用したニオブ系無鉛積層圧電材料の交流インピーダンス特性 (2018)
  • 著者名/発表者名: 西山 拡、柿本健一、波多野 桂一、小西 幸宏、A. Martin、K. Webber
  • 学会等名: 日本セラミックス協会第31回秋季シンポジウム
• [学会発表] Zr4+ Acceptor Doped Alkari Niobate Piezoceramics and electrical Fatigue (2018)
  • 著者名/発表者名: Y. Ito, H. Nishiyama, K. Kakimoto
  • 学会等名: 10th Japan-China Symposium on Ferroelectric Materials and Their Applications
  • 国際学会
• [学会発表] ユニポーラ電界駆動したニオブ系圧電セラミックスの疲労特性 (2018)
  • 著者名/発表者名: 伊藤雄一朗、前田晋朔、柿本健一
  • 学会等名: 第38回エレクトロセラミックス研究討論会
• [学会発表] 圧電セラミックスのPFM観察と疲労現象 (2018)
  • 著者名/発表者名: 前田晋朔、伊藤雄一朗、柿本健一
  • 学会等名: 2018年度日本セラミックス協会東海支部学術研究発表
• [学会発表] ニオブ系無鉛圧電材料のフェロイクスと電気機械物性 (2018)
  • 著者名/発表者名: 西山 拡、柿本健一、波多野桂一、小西幸宏、A. Martin、K. Webber
  • 学会等名: 日本セラミックス協会2018年年会
• [学会発表] 圧電応答顕微鏡によるニオブ系圧電材料のChargedドメイン壁観察 (2018)
  • 著者名/発表者名: 前田晋朔、西山 拡、柿本健一
  • 学会等名: 日本セラミックス協会2018年年会
• [学会発表] 高負荷環境下におけるニオブ系無鉛圧電セラミックスの繰り返し電界疲労特性 (2018)
  • 著者名/発表者名: 伊藤雄一朗、西山 拡、柿本健一
  • 学会等名: 日本セラミックス協会2018年年会
• [学会発表] アクセプタイオンを置換固溶させたニオブ系無鉛圧電セラミックスの疲労特性 (2017)
  • 著者名/発表者名: 高塚清香、西山 拡、田中清高、渕上輝顕、柿本健一
  • 学会等名: 日本セラミックス協会2017年年会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2017-03-17
• [学会発表] Technical Challenges in Lead-free Alkali Niobate Piezoceramics (2017)
  • 著者名/発表者名: K. Kakimoto
  • 学会等名: 12th Pacific Rim Conference on Ceramic and Glass Technology
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] High-power Impedance Spectroscopy for Fatigued Alkali Niobate Piezoelectronics (2017)
  • 著者名/発表者名: H. Nishiyama, K. Kakimoto, K. Hatano, Y. Konishi
  • 学会等名: 8th International Conference on Electroceramics
  • 国際学会
• [学会発表] ニオブ系無鉛圧電セラミックスのハイパワーインピーダンス特性 (2017)
  • 著者名/発表者名: 西山 拡、柿本健一、波多野桂一、小西幸宏
  • 学会等名: 第34回強誘電体応用会議
• [学会発表] ニオブ系強誘電体セラミックスの特異な強弾性挙動 (2017)
  • 著者名/発表者名: 西山 拡、柿本健一、波多野桂一、小西幸宏、A. Martin、K. Webber
  • 学会等名: 日本セラミックス協会第30回秋季シンポジウム
• [学会発表] 圧縮応力下におけるニオブ系無鉛圧電セラミックスの強弾性挙動と誘電特性 (2017)
  • 著者名/発表者名: 西山 拡、柿本健一、波多野桂一、小西幸宏、A. Martin、K. Webber
  • 学会等名: 第37回エレクトロセラミックス研究討論会
• [学会発表] Recent Progress in Lead-free Alkali Niobate Piezoceramics (2017)
  • 著者名/発表者名: K. Kakimoto
  • 学会等名: JSPM International Conference on Powder and Powder Metallurgy - 60th Anniversary -
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] ニオブ系無鉛圧電セラミックスの電気的耐圧特性 (2017)
  • 著者名/発表者名: 永松野愛、西山 拡、柿本健一
  • 学会等名: 日本セラミックス協会平成29年度東海支部学術研究発表会
• [学会発表] ハイパワー駆動を想定したニオブ系無鉛圧電体材料のインピーダンス特性 (2017)
  • 著者名/発表者名: 西山 拡、柿本健一、波多野桂一、小西幸宏
  • 学会等名: 日本セラミックス協会平成29年度東海支部学術研究発表会
• [学会発表] Material Design of Alkaline Niobate Piezoceramics for Sensor and Energy Application (2016)
  • 著者名/発表者名: K. Kakimoto
  • 学会等名: 8th Japan-China Symposium on Ferroelectric Materials and Their Applications
  • 発表場所: Tsukuba, Japan
  • 年月日: 2016-09-29
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] ニオブ系無鉛圧電材の構造制御およびエネルギー応用 (2016)
  • 著者名/発表者名: 柿本健一
  • 学会等名: 日本セラミックス協会第29回秋季シンポジウム
  • 発表場所: 広島
  • 年月日: 2016-09-07
  • 招待講演
• [学会発表] ニオブ系無鉛圧電材料の高電界交流インピーダンス特性 (2016)
  • 著者名/発表者名: 西山 拡、柿本健一、波多野桂一、小西幸宏
  • 学会等名: 日本セラミックス協会第29回秋季シンポジウム
  • 発表場所: 広島
  • 年月日: 2016-09-07
• [学会発表] インバース法を用いた(Na0.5K0.5)NbO3-Ba2NaNb5O15の圧電特性評価 (2016)
  • 著者名/発表者名: 吉田克也、柿本健一
  • 学会等名: 第33回強誘電体応用会議
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2016-05-25
• [学会発表] 疲労した圧電セラミックスのハイパワーインピーダンス測定 (2016)
  • 著者名/発表者名: 西山 拡、柿本健一、波多野桂一、小西幸宏
  • 学会等名: 平成28年度日本セラミックス協会東海支部学術研究発表会
  • 発表場所: 名古屋
• [学会発表] ニオブ系無鉛圧電セラミックスの元素置換と疲労特性 (2016)
  • 著者名/発表者名: 高塚清香、西山 拡、渕上輝顕、柿本健一
  • 学会等名: 平成28年度日本セラミックス協会東海支部学術研究発表会
  • 発表場所: 名古屋