研究課題
基盤研究(B)
本研究では、層状ペロブスカイト酸化物の酸素八面体回転を制御して、間接型強誘電体の開拓を目指した。Sr3Zr2O7と(Sr,Ca)3Sn2O7において、二種類の非極性の構造歪み(酸素八面体回転)の組み合わせが結晶構造の反転対称性を破り、ハイブリッド間接型強誘電性の発現をもたらすことを明らかにした。また、これらの系では酸素八面体回転により多くの準安定相が存在し、強誘電相と競合していることがわかった。さらに、既知のn = 2ルドルスデン・ポッパー型強誘電体に関する結果も含めると、室温以下から1100 Kまでの広い温度範囲でキュリー温度とペロブスカイト許容因子の間に相関があることを見出した。
膨大なペロブスカイト化合物の中で強誘電体は5%に満たず、応用分野も限定的であった。ハイブリッド間接型強誘電体の物質設計では、元素選択の自由度が直接型の場合と比べて遥かに大きいため、物質探索により高機能な新規強誘電体が登場する可能性は大いにある。また、現在は鉛を含むペロブスカイト強誘電体Pb(Zr,Ti)O3が圧電素子として広範に利用されているが、環境保全の観点からこれを代替する無鉛圧電材料の開発が強く求められている。ハイブリッド間接型強誘電体の開発はそのような産業界の要望にも応えることができる。
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