研究課題
基盤研究(B)
本研究では、記憶を符号化している記憶痕跡細胞が、新奇空間学習時に複数のサブ・アンサンブルを構成し、それぞれが時間的にずれた活動によって個別の記憶構成成分の情報を符号化しながら、エピソード記憶の全体像を表現していることを見出した。そして記憶痕跡サブ・アンサンブルの約4割が、睡眠中に自発的に再活動するとともに、記憶の想起時に再び優先的に活動していることを明らかにした。この結果は、エピソード体験の記憶の全体像は、複数のサブ・アンサンブル活動の協奏的な脳内での表出によって形作られていること、そして、睡眠中のサブ・アンサンブル活動の再現によって、記憶を脳内に定着させていることを強く示唆している。
本研究成果では、日々の生活で経験するエピソードの記憶について、脳内の神経細胞がどのような様式で集団で活動し記憶情報を符号化しているのかを明らかにしたとともに、経験に応じて形成された記憶が睡眠中に定着する様子を観察し明らかにした。これらの知見は、記憶の科学的かつ本質的な理解に貢献するものであり、脳内に表出した情報の解読法の提案や、効率の良い記憶学習法、認知症などの記憶障害の早期診断法への応用につながることが期待される。
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