研究課題
基盤研究(B)
ゼブラフィッシュの運動系をモデルとして、触覚受容に関連する分子を探索し、触覚受容に関わる膜タンパク質を同定した。また、ゼブラフィッシュの運動を定量解析する実験系の構築を行い、人工的な水流の中で泳がせて最大泳動速度を測定するスイムミルを確立した。これを用いて、ゼブラフィッシュの運動特性を解析し、たとえば運動能力に性差がないことや、尾ひれの長さは5ミリのときに運動能力が最大化することなどを見出した。ゼブラフィッシュには実験室で確立された、遺伝的バックグラウンドの異なる系統が存在するが、それらを比較することで、WIKという系統が運動能力が低く、これが親から子に遺伝する形質であることも明らかにした。
物に触れた時に感じる感覚を触角という。触覚は視覚、聴覚、嗅覚、味覚とならぶ五感の一つとして紀元前から知られるが、どうやって触覚を感じるか、具体的には触覚の受容体やその他の細胞内分子の実体については他の感覚と比べて未解明のことが多く残されている。これを解明する目的でゼブラフィッシュの運動をモデルとした触覚の研究を行い、触覚を感じるのに必要な分子を探索し、触覚を感じるのに必要なタンパク質を同定した。このタンパク質は細胞膜上にあると考えており、この分子の理解から、触覚異常をともなうさまざまな疾患の理解が深まると期待される。また、ゼブラフィッシュの運動を計測し、運動能力が遺伝形質であることを確認した。
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