研究課題
基盤研究(B)
痛覚神経軸索が表皮の神経成長因子(NGF)に誘引される過程で、軸索はより高濃度のNGFに応答し続けるため、軸索は応答可能なNGF濃度域を調節する機構を備えているはずである。軸索の誘引応答を担う細胞内分子IP3を受容するタンパク質(IP3受容体タイプ3)が、軸索のNGFへの感受性を制御し、痛覚神経軸索の皮膚投射に重要な役割を担うことを明らかにした。また、神経成長因子が痛覚神経軸索を誘引する過程で、細胞内脂質ホスファチジン酸が膜動態を制御して軸索の方向転換を駆動することを証明した。
痛覚を担う神経細胞の突起(軸索)が皮膚の表面(表皮)へ投射する仕組みを、表皮由来の誘引性分子への感受性制御および軸索細胞内の膜ダイナミクス制御の両面から明らかにした。これらの成果は、神経軸索が細胞外環境の誘引性分子を認識して正しい標的へ到達する仕組みの理解に貢献するとともに、皮膚への神経投射が関与しうる病態(例えば、痒み)のメカニズム解明および治療法開発に寄与しうる成果である。
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