研究課題/領域番号 |
16H04690
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腫瘍生物学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
千葉 奈津子 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (50361192)
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研究分担者 |
城田 松之 東北大学, 医学系研究科, 講師 (00549462)
渡邊 利雄 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (60201208)
吉野 優樹 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (60755700)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2018年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2016年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | BRCA1 / 中心体 / ゲノム安定性維持 / 細胞分裂 / がん関連分子 / がん / 癌 |
研究成果の概要 |
遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の原因遺伝子産物であるBRCA1は、BARD1と結合してDNA修復に関与する。我々は、プロテオーム解析で新規BRCA1結合分子として、OLA1とRACK1を同定し、その機能を解析した。その結果、これらの両分子が中心体に局在し、BRCA1、BARD1に直接結合し、中心体複製に重要な働きをすることが明らかになった。RACK1は、BRCA1の中心体局在を制御することも明らかになった。また、これらの分子の発現量の異常やがん由来の変異で中心体複製制御が異常になり、中心体数の異常を来すことが明らかになった。本研究により、BRCA1の新たなゲノム安定性維持機構が解明された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
BRCA1のがん抑制能として、これまでは核内での機能である、DNA二本鎖切断修復能が注目されてきたが、本研究により、BRCA1が中心体複製制御において重要な機能を果たし、その機能破綻が中心体数の異常を引き起こすことが明らかになった。中心体は微小管形成中心として機能し、分裂期には紡錘体極となり、娘細胞への均等な染色体分配を担う細胞内小器官で、ゲノム安定性に重要な機能を担っている。よって、中心体制御能もBRCA1の重要ながん抑制能であると考えられた。本研究成果は遺伝性乳がんの遺伝子診断の病的意義の不明なバリアントの病的意義の解明や、中心体を標的とした新しいがん治療法の開発に貢献できると考えられる。
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