研究課題/領域番号 |
16H04701
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腫瘍生物学
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
清野 透 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (10186356)
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研究協力者 |
田頭 香澄美
Ghani Farhana lshrat
温川 恭至
中原 知美
山田 健二
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2018年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2017年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2016年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | がん幹細胞 / 合成致死 / RAS / マクロピノサイトーシス / MYC / 幹細胞 / 末梢型肺腺がん / 融合遺伝子 / 病理学 / ヒト正常細胞 / 癌 / methuosis |
研究成果の概要 |
正常ヒト上皮細胞に種々のがん遺伝子セットを導入し、膵がん、肺腺がん、卵巣がんなどの誘導型人工がん幹細胞モデルを作出した。HPV16 E6E7、MYCと変異KRASをヒト正常上皮細胞に導入すると強い造腫瘍性細胞が誘導されたが、この細胞からHPV16 E6E7とMYCの発現を止めると細胞死が誘導され造腫瘍性は消失した。KRASに変異を持つ肺腺がん細胞株や膵がん細胞株に対しドミナントネガティブに働くMYC(OmoMYC)を発現誘導させる空胞化を伴う細胞死を誘導できる事を確認した。すなわち変異RASを有するがんではMYCの活性を抑制することで合成致死がもたらされる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RASは全がんの30%で活性型変異が見つかるが、RASを標的とした分子標的薬はいまだに開発されていない。また、変異RASの遺伝子増幅ががんの浸潤転移を促進し変異RASの発現量の増加ががんの増悪にかかわっている。RASに変異を持つがんではMYCの高発現によりその造腫瘍性を支えておりMYC発現の低い細胞に変異RASを発現させると過剰なマクロピノサイトーシスによる細胞死がもたらされることを示した。変異RASを持つがん、特に悪性度の高い変異RASを高発現するがんではMYCの機能を抑えることで合成致死をもたらす治療が有効であることが明らかになり、RASに変異のあるがんに対する治療戦略を示すことができた。
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