研究課題
基盤研究(B)
糖脂質であるGPI(グリコシルホスファチジルイノシトール)は、タンパク質に結合して膜アンカーとして働くだけでなく、フリーの糖脂質としても存在している。GPI骨格は共通であるが、側鎖によって多様性が生まれる。GPI側鎖の生合成機構の解明とフリーGPIの動態と病理的意義の解明を研究目標とし、以下の成果を得た。(1)側鎖形成に働く2つの酵素を同定した。(2)GPIトランスアミダーゼ欠損細胞ではフリーGPIが細胞表面に発現することを示し、そのレベルをGPI生合成量の指標にすることにより、GPI生合成の制御機構の一端を明らかにした。また、フリーGPIの蓄積によって自己炎症が起こることを示した。
ヒトが持つタンパク質の約160種には糖脂質であるGPI(グリコシルホスファチジルイノシトール)が結合しており、GPIによって細胞膜に係留されて機能している。GPIの生合成が異常になると先天性グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)欠損症や発作性夜間ヘモグロビン尿症と言った難病を発症する。GPIの糖鎖部分の骨格は共通構造をしているが、側鎖によって多様性が生まれる。しかし側鎖の生合成機構は未解明であった。また、GPIはタンパク質に結合しないフリーの糖脂質としても存在することが知られているが、その生理的意義や病理的意義は不明であった。本研究の成果はこれらの課題に一定の進展をもたらした。
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