研究課題
基盤研究(B)
本課題は、どのような構造を持ったRNA修飾酵素が、どのようなRNAを基質として認識し、修飾するのか解明することを目標とし、以下の研究成果を報告した。(1)RNA結合ドメインとして知られるTHUMPドメインは、RNAの一本鎖領域に結合性を有し、tRNA修飾酵素では、しばしばCCA末端を認識する。(2) 好熱菌tRNAメチル化酵素TrmBの特殊なC末ドメインは、メチル基供与体のS-アデノシル-L-メチオニンの結合ポケットを形成し、その一部は基質tRNA結合部位ともなる。(3) 好熱菌のtRNA修飾ネットワークにおいて、葉酸依存性tRNAメチル化酵素TrmFOは低温適応のサポーター因子として働く。
RNA修飾の基本的役割はタンパク質合成系の制御です。ヒトの場合、その制御が乱れると遺伝病や発がんに結びつくことが知られています。また、コレラ菌、チフス菌、ヒト免疫不全ウイルスなどにとって、RNA修飾は感染必須因子です。さらに、RNA修飾が環境(ストレス)応答因子であることも明らかとなりつつあります。したがって、どのようなRNA修飾酵素がどのようなRNAに作用するのか、また、いかに制御されているのかを理解することは、タンパク質合成系の基本制御の仕組みを解明し、遺伝病の病態の理解、遺伝子診断・遺伝子治療法の開発、感染性微生物対策、生物多様性の理解、環境応答の仕組みの解明などにつながります。
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