研究課題
基盤研究(B)
両生類のツメガエルは四肢を切断されると再生芽を形成し、その後に四肢を再生する。さらに皮膚を深層の真皮まで傷つけられても瘢痕(傷あと)を残さず、皮膚構造をほぼ完全に再生する。本研究ではまずGFPによる細胞標識により、ツメガエルの皮膚再生では創傷後に皮下の領域から移動してきた再生芽様の細胞が傷口に集積し、皮膚再生に寄与することを発見した。次いでイベリアトゲイモリにおいても皮膚の完全再生が起きることを共同研究者とともに示した。さらに網羅的な発現解析を実施して四肢再生と皮膚再生の両方で発現が活性化する遺伝子群を特定した。
ヒト(哺乳類)の場合は四肢を再生できないのはもちろん、皮膚が真皮まで傷ついた際にも再生できず、瘢痕を形成して傷口をふさぐ。瘢痕は元の皮膚の機能を代替できない上に外見も損なうため、瘢痕を残さない皮膚再生の実現が強く望まれている。皮膚を再生する両生類において再生に寄与する細胞が皮下から移動してくるという発見は、皮膚再生のメカニズムの解明と四肢再生との共通性の解明の両方において大きな意義を持つ。本研究でなされた四肢再生と皮膚再生での共通性の解明は、瘢痕のない皮膚再生を将来哺乳類で実現し、更にそこから四肢再生へのステップアップを目指す上での重要な指針になる。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 4件、 招待講演 6件) 備考 (2件)
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