研究課題
基盤研究(B)
ピロリン酸(PPi)は生体反応で生成され、適切に除去することで正常な細胞機能が保たれる。植物では、 H+-PPaseがPPiの除去を担い、その機能を喪失したfugu5ではPPiが蓄積し、生育に異常をきたす。本研究では、PPiの蓄積が引き起こす様々な発達異常のメカニズムを発生段階及び組織毎に解析し、植物の代謝と発生制御におけるH+-PPaseの役割の解明を目指した。その結果、PPiの蓄積がもたらす影響は組織毎に異なること、正常な気孔機能の発揮には孔辺細胞におけるPPi分解が必須であること、fugu5の初期成長における一時的なPPi除去能の付加が全発生異常を回復させるのに十分であることを証明した。
PPi分解酵素は植物のみならず、大腸菌からヒトまでの生物が持つ重要な酵素であり、その活性が失われると生存できないとされてきたため、従来、解析のめどが立っていなかった。PPiの存在の発見以来70年余経つが、教科書では未だに生体内におけるPPi分解酵素の役割は謎とされている。そのなかで研究代表者は、独自に単離したPPi分解酵素の機能欠損型fugu5変異体を使うことで、上記の通り、PPiの阻害メカニズムの全貌を多元的に明らかにし、植物の代謝と発生制御におけるH+-PPaseの役割の解明に成功した。今回得られた成果は、基礎科学的貢献のみならず、近い将来、教科書を塗り替えることになると期待している。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 9件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (52件) (うち国際学会 9件、 招待講演 5件) 備考 (6件)
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