研究課題/領域番号 |
16H04835
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
村上 哲明 首都大学東京, 理学研究科, 教授 (60192770)
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研究分担者 |
山本 薫 横須賀市自然・人文博物館, その他部局等, 学芸員 (00766016)
海老原 淳 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 研究主幹 (20435738)
高宮 正之 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (70179555)
綿野 泰行 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (70192820)
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研究協力者 |
堀 清鷹 首都大, 理工
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2018年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2017年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2016年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
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キーワード | 遺伝的多様性 / 無性生殖 / 無配生殖 / オシダ科 / オシダ属 / ゲノム / 交雑 / 3倍体 / 3倍体 / シダ植物 / 網状進化 |
研究成果の概要 |
シダ植物には、無配生殖と呼ばれる胞子を通じた無性生殖(クローン繁殖)を行うものが1割以上存在していることが知られている。無性生殖を続けていると、種内の遺伝的多様性が減少すると考えられる。しかし、無配生殖種内の遺伝的多様性は、有性生殖種と同等あるいはそれ以上である例が多く知られていた。 本研究では、複数の核DNAマーカーを用いて無配生殖種のゲノム構成を調べたところ、2種あるいは3種の有性生殖種のゲノムを合わせ持っているものがほとんどであることが分かった。比較的遠縁の種のゲノムまで取り込んでいる例も見られた。無配生殖種は、時々、遠縁の種とまで交雑して遺伝的多様性を高めていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シダ植物の無配生殖種は、有性生殖を二次的にやめた種と考えられてきた。しかし、本研究によって、有性生殖種同士では雑種すら形成しないような遠縁の種とも、無配生殖種は時々交雑して、そのゲノムを取り込んでいることが分かった。生物学者も含めて多くの人が高等生物は、有性生殖以外の方法で繁殖するのが機構的に困難なので、有性生殖を続けていると考えている。しかし、胞子を通じて無性生殖が可能なシダ植物においても、しかも遠縁の種とまで交雑して,その遺伝的多様性を高めていることは、交雑すること(すなわち有性生殖そのもの)が,生物が生存し続けていく上で、いかに重要で必要不可欠なことであるかを示している。
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