研究課題/領域番号 |
16H04842
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大串 隆之 京都大学, 生態学研究センター, 名誉教授 (10203746)
|
研究分担者 |
内海 俊介 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (10642019)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2017年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2016年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 侵入生物 / 生物群集 / 形質進化 / 野外操作実験 / 形質変化 / 相互移植実験 / 群集 / 進化 / 帰化植物 / 生態学 / 侵入植物 / 間接相互作用 |
研究成果の概要 |
セイタカアワダチソウの成長の季節動態は日米両国の個体群間で大きく異なった。各圃場では「南方個体群」の植物サイズは「北方個体群」に比べて有意に大きかったが、生育環境にも影響されていた。この結果は、帰化植物の形質は遺伝および侵入環境の相互作用が重要であることを示唆している。 植食性昆虫の群集構成も日米間で大きく異なっていた。日本ではアブラムシとグンバイが全個体数の90%以上を占めていたが、アメリカでは30%以下であった。また、アメリカの圃場で優占していたゴール昆虫は、日本では確認されなかった。これは、セイタカアワダチソウの侵入後、昆虫との種間関係と群集構成が大きく変わったことを示すものである。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
帰化植物の形質と生物間相互作用の研究は世界中で行われているが、原産地との詳細な比較はまだない。本研究から、植物の形質は遺伝的に決まっているが侵入先の生育環境も重要であること、植食者との相互作用は侵入後に大きく変わりうることがわかった。この事実から、植食者群集の激変が植物と昆虫の共進化に大きな影響を与える可能性が示唆された。 また、侵入後の植物形質の遺伝的な維持と生物間相互作用の変化による植物の防衛形質へのフィードバックは、帰化植物に対する被食圧を通しての形質進化が生息地の保全を考える上での新たな課題となることを明確にした。本研究の成果は、このように学術的および社会的に大きな意義をもっている。
|