研究課題
基盤研究(B)
中性子準弾性散乱による分子運動性の解析や水和構造の可視化により、食品中の水の物理化学的状態や食品と水との相互作用を調べ、水分活性が意味する水和状態の一端を解明した。具体的には、これまで水分活性は自由水や結合水といった定性的な用語で説明されていたが、それぞれの状態が水素結合を介した水和水のネットワーク構造の違いとして区別できることを示した。またそれぞれの状態を水の拡散係数や水素結合寿命で定量的に説明した。さらに、水和状態の変化が食品分子のガラス転移の有無と連動することを見出した。一方で、多様な分子構造を持つ食品の水分活性の統一的な理解には、ミクロ構造との関連性が重要であることが分かってきた。
水分活性は食品の保存性や品質を評価する実用的な指標であり、その有効性は広く認められており、食品加工などの現場で既に利活用されている。しかしながら、水分活性がなぜそのように食品の状態をうまく指標化できているのかなどについての学術的な観点からの研究は不十分な点が多い。本研究で解明した水分活性が意味する食品の水和状態を参照することによって、これまでと違った観点から水分活性の利用ができたり、食品の品質についてこれまで以上情報が引き出せたりできるようになる可能性を秘めている。
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