研究課題/領域番号 |
16H04952
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
木質科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
今井 貴規 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (20252281)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2018年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2017年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2016年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
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キーワード | 心材 / 心材形成 / ノルリグナン / 重合 / スギ / オリゴマー / norlignan / heartwood / Cryptomeria japonica / agatharesinol / sequirin C / oligomer |
研究成果の概要 |
スギ材の価値(色調)を左右する心材(樹幹中央部の濃色部)は、スギ個体の成長に伴って辺材(心材周縁の淡色部)が、移行材を経て変化することにより形成される。スギ心材形成について、(1)どのような化合物が形成されるか、(2)どのような機構により形成されるか、(3)細胞レベルのどこで形成されるかを調べた。 (1)スギ心材から数種類の新規化合物を単離し構造決定することができた。これら化合物の含有量や心材内分布は、通常の赤色材と異常な黒色材とで異なることが分かった。(2)前述の化合物は移行材・心材での酵素反応により形成されることが示された。(3)酵素反応が移行材・心材放射柔細胞中で起こることが可視化された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
幼齢木の樹幹等の材部は、「辺材」と呼ばれる部分のみからなるが、しばしば加齢等と共に、より老いた組織である中心部から「心材」へと変化する。この変化過程は心材形成と呼ばれ、樹木に普遍的・特徴的な生理活動である。木材利用上注視される樹種特有の諸性質(色調・におい・耐久性等)は、心材の特性によって引き出される(主に化学物質による)ことが多い。心材・心材形成研究は、木材基礎科学ならびに木材利用・応用の両面から重要な領域となるが、心材形成の機構や意義が、完全に理解されているとは言い難い。 本研究は「心材がどのように形成されるか」について新しい概念を提出することにより、学術的・社会的に貢献しようとする。
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