研究課題/領域番号 |
16H04968
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水圏生産科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北川 貴士 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (50431804)
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研究分担者 |
野畑 重教 東京大学, 大気海洋研究所, 特任助教 (00526890)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2016年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | サケ / 温度適応 / 南限 / 温暖化 / 三陸 / 北上川 / 有酸素代謝範囲 / 至適水温 / 心筋アデノレセプター / 河川勾配 / 南限域 / 遊泳行動 / アデノレセプター / 心筋 / 生理 / アドレナリン受容体 / グロビン / グロビン遺伝子 |
研究成果の概要 |
岩手県において、秋に北上川を遡上するサケと冬に三陸河川を遡上するサケの温度生理学的特性を、代謝速度を計測することによって評価した。その結果、遡上期が早く、河口から産卵場への遡上距離も長い北上川群の適水温範囲は三陸群よりも約3℃高い範囲を示した。数理モデルから、北上川群は急流を遡上できる能力と高水温下でもエネルギー消費が低いといった代謝特性を備えていることが示唆された。野外実験からは、高い流速下では休息を伴う遊泳を行うことで効率的に遡上を行うことも分かった。以上より北上川群の代謝特性は高水温期の長距離の河川遡上に適応したものであることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果により南限分布域でのサケの温度適応機構の実態の理解が飛躍的に進むのみならず、本種の地球温暖化に対する応答予測とそれに基づいた保全や管理対策に繋がることが期待される。また、直近の課題となっている資源の回復に、北上川群のような野生種が果たす役割が明確になり、その商業的価値も高まるものと考えられる。これらは、国際連合が纏めた持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SGDs)のGoal 14にも繋がる。
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