研究課題/領域番号 |
16H05056
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境農学(含ランドスケープ科学)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村瀬 潤 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (30285241)
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研究分担者 |
浅川 晋 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (50335014)
渡邉 健史 名古屋大学, 生命農学研究科, 講師 (60547016)
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研究協力者 |
林 健太郎
常田 岳志
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2018年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2017年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2016年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
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キーワード | 水田 / 酸化還元境界層 / 微生物 / メタン / 鉄酸化 / 原生生物 / 微生物群集構造 / 微生物間相互作用 / 酸素 / 微生物相互作用 |
研究成果の概要 |
水田土壌に焦点を当てて、酸化還元境界層のゆらぎの実態と微生物群集の応答を解析した。水田土壌表層は過飽和から完全な無酸素状態まで、溶存酸素濃度が極めて大きな変動を示した。水稲根圏でもイネの生育に応じて酸化還元電位が劇的に変動した。水田土壌に生息する原生生物は、好適な酸素濃度あるいは酸化還元電位を持つグループや広範囲の酸素濃度に適応するグループが存在し、酸化還元境界層で捕食者として重要な役割を果たすと考えられた。メタン酸化細菌はメタン酸化に酸素を必須とするものの、嫌気状態に置かれても長期間活性を維持することが可能であった。また、微好気性鉄酸化細菌が表層で活動することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酸化還元境界層は、多くの重要な微生物代謝が進行するホットスポットであるが、厚さ数ミリの酸化還元境界層の中での劇的な化学的濃度勾配に応じた微生物の群集や活性の空間分布の詳細はほとんど分かっていなかった。本研究では、酸化還元境界層が大きなゆらぎを有していることを実証するとともに、境界層で微生物がサブミリスケールの住み分けを行なっている実態を明らかにした。また物質循環の鍵を担う微生物群集の境界層のゆらぎに対する応答を検証した。本研究の成果から、酸化還元境界層における環境変動が微生物の生態や温室効果ガスであるメタンの動態に及ぼす影響を微生物サイズの視点に立ったスケールで解析することの重要性が示された。
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