研究課題
基盤研究(B)
植物免疫応答を制御する鍵転写コファクターであるNPR1及びJAZが標的とする転写制御因子群を、シロイヌナズナ転写因子ライブラリーを用いて調査した結果、TGA、WRKY、MYC、NAC、HSFなどに加えて、光応答、乾燥応答、細胞周期、成長制御機構に関与する転写因子群と相互作用することが明らかになった。実際、NPR1は、同相互作用因子を介して光形態形成や乾燥応答にかかわる遺伝子発現を直接制御することを示した。本研究によって、植物免疫系が形成するネットワークのハブとなる制御因子を多数同定したことより、今後、その調節機構の解明が期待される。
多様な情報伝達経路間の制御因子を特定することで、高度なネットワークを明らかにすることができる。これによって、trade-off等の農業利用上決して有利であるとは言えない形質に対して解決の糸口を与えることができる。例えば代替農薬により植物免疫が活性化すると、虫害応答が抑制され虫害が増大する等の問題が不可避であった。しかし、NPR1による虫害シグナルの抑制作用が明らかになったことで、本タンパク質を標的とした分子育種等により、免疫は活性化するが、虫害抵抗性には影響を与えない植物の育成が可能になると考えられる。
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BIO-PROTOCOL
巻: 9 号: 3 ページ: 3-3
10.21769/bioprotoc.3155
Methods Mol Biol
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https://www.gene.nagoya-u.ac.jp/