研究課題
基盤研究(B)
本研究では、申請者が同定したリゾホスファチジルセリン(LysoPS)受容体を介するLysoPSの機能解析をLysoPS受容体KOマウスを用い行った。特に、LysoPS受容体はT, B細胞をはじめとする免疫系の細胞に特異的に発現するため、本研究では抗原免疫応答に対するLysoPS受容体の機能解明を行った。抗原免疫モデルにおいて、KOマウスでは顕著なT細胞、B細胞数の増加を認めたことから、LysoPSシグナルは免疫抑制作用を発揮することが判明した。また、リンパ球が活性化する状況でLysoPSが顕著に増加することを見出した。今後、LysoPSの産生機構を明らかにする上で重要な知見が得られた。
GPCRは創薬の標的として有望である。本研究では、これまで未解明だった生理活性脂質リゾホスファチジルセリン(LysoPS)のGPCRを介する機能を世界に先駆けて明らかにすることができた。ホスファチジルセリン(PS)が免疫系に深く関与することは示唆されていたが、PSの一部はLysoPSに変換され機能することが想定される。本知見は、新規生理活性脂質の生体内機能を明らかにしたという、基礎的な貢献だけでなく、新規免疫抑制剤開発のための新たな分子標的を提供したという点においても、新規創薬を促進する極めて有用な情報となり得る。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 2件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (17件) (うち招待講演 5件)
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