研究課題
基盤研究(B)
冬眠は、低温・乾燥・飢餓といった極限環境下を生き抜くために、全身性の代謝抑制により体温を低下させ低体温での長期生存を可能とする生存戦略である。これら冬眠動物の備える「冬眠耐性」は低体温で生存できないヒトなどの冬眠動物から見ると驚異的である。この冬眠耐性は通年発揮されるのではなく、前冬眠期から冬眠期にかけて誘導されることが示唆されるが、その分子実体の殆どは不明である。本研究では、冬眠可能な哺乳類シリアンハムスターにおける冬眠耐性発現機構の解明を、基礎体温および遺伝子発現のプロファイリングにより試みた。その結果、冬眠に先立つ基礎体温セットポイントの変更および白色脂肪組織リモデリングを明らかにした。
本研究により、シリアンハムスターは冬眠前に全身リモデリングを行うことが明らかになった。特に白色脂肪組織においては、脂質の異化能と同化能の同時亢進が生じ、また褐色脂肪細胞様の細胞も生じてくることが明らかとなった。これら変化の分子機構をさらに追求することにより、餌の枯渇する長期間の冬を貯蔵脂肪で乗り切るという冬眠の脂質代謝制御戦略が明らかになるだけでなく、ヒトの肥満や糖尿病などの、生活習慣病への新たな治療の糸口が見えてくると期待される。
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