研究課題
基盤研究(B)
本研究は膵臓・膵頭領域癌のオルガノイド培養と網羅的遺伝子解析により、分子標的治療の個別化医療検証システムの構築、新規分子標的の同定を目的とした。膵頭領域癌54例中30例(55.6%)でオルガノイド培養細胞を得た。腫瘍のエクソーム解析から分子標的候補を抽出した。ILK (integrin-linked kinase)変異腫瘍由来オルガノイドでILK阻害剤による増殖抑制とシグナル不活化を確認し、分子標的となりうることが示された。オルガノイド培養と網羅的遺伝子解析の組合せで実際に患者由来検体で分子標的治療の効果を確認できるシステムを構築し、膵臓・膵頭領域癌新規分子治療標的としてILKを同定した。
癌の診療では腫瘍のゲノム解析から個々の癌に適した分子標的を見出し治療することが行われるが、見出した分子標的が実際に患者由来の癌に対し効果を示すか検証できるシステムがなかった。本研究では難治性である膵臓・膵頭領域癌について、癌オルガノイド培養と網羅的遺伝子解析を組み合わせることにより、実際に患者由来検体で分子標的治療の効果を確認できる個別化医療システムを構築した。また、膵臓・膵頭領域癌に対する新規分子治療標的としてILKを同定した。
すべて 2021 2020 2019 2018 2017 2016 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 7件、 招待講演 10件) 備考 (1件)
European Journal of Cancer
巻: 148 ページ: 239-250
10.1016/j.ejca.2021.01.047
Journal of Gastroenterology
巻: Online ahead of print 号: 6 ページ: 581-592
10.1007/s00535-021-01783-2
肝胆膵
巻: 79 ページ: 1117-1123
巻: 78 ページ: 759-763
胆と膵
巻: 40 ページ: 287-290
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20210322_01web_cancer.pdf