腸管病原細菌感染現象の横断的解析

• 研究課題/領域番号: 16H05186
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 細菌学(含真菌学)
• 研究機関: 東京医科歯科大学 (2017-2018); 千葉大学 (2016)
• 研究代表者: 芦田 浩 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (10535115)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2019-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2018年度)
• 配分額: 17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円); 2018年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円); 2017年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円); 2016年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
• キーワード: エフェクター / 細胞死 / 腸管病原菌 / 腸管病原細菌 / 赤痢菌 / 病原細菌 / 自然免疫

研究成果の概要

本研究では、腸管病原菌の横断的解析により、腸管病原菌に共通する感染戦略を明らかにした。赤痢菌のエフェクターAは宿主標的シグナル因子を分解することで上皮細胞感染時の細胞死necroptosisを阻害し、感染持続に寄与する。また、エフェクターAはその類似エフェクターが他の腸管病原菌にも保存されており、エフェクターAによるnecroptosis阻害は幅広い腸管病原菌に共通する感染戦略であることが明らかになった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究では、感染様式の異なる複数の腸管病原菌を用い、その感染現象を横断的に比較解析し、共通する感染戦略を解明した。本研究により得られた知見は幅広い腸管病原細菌を標的とする創薬・ワクチン開発へとつながることが期待される。

研究成果

• [雑誌論文] Gut pathobionts underlie intestinal barrier dysfunction and liver T helper 17 cell immune response in primary sclerosing cholangitis. (2019)
  • 著者名/発表者名: Nakamoto N, Sasaki N, Aoki R, Miyamoto K, Suda W, Teratani T, Suzuki T, Koda Y, Chu PS, Taniki N, Yamaguchi A, Kanamori M, Kamada N, Hattori M, Ashida H, Sakamoto M, Atarashi K, Narushima S, Yoshimura A, Honda K, Sato T, Kanai T.
  • 雑誌名: Nat Microbiol. 巻: 4 号: 3 ページ: 492-503
  • DOI: 10.1038/s41564-018-0333-1
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Shigella effector IpaH4.5 targets 19S regulatory subunit RPN13 in the 26S proteasome to dampen cytotoxic T lymphocyte activation. (2019)
  • 著者名/発表者名: Otsubo R, Mimura H, Ashida H, Hamazaki J, Murata S, Sasakawa C.
  • 雑誌名: Cell Microbiol. 巻: 21 号: 3 ページ: e12974-e12974
  • DOI: 10.1111/cmi.12974
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Porphyromonas gingivalis triggers NLRP3-mediated inflammasome activation of macrophages in a bacterial gingipains-independent manner. (2018)
  • 著者名/発表者名: Tokuju Okano, Hiroshi Ashida, Shiho Suzuki, Mikio Shoji, Koji Nakayama, Toshihiko Suzuki,
  • 雑誌名: Eur. J. Immunol. 巻: 48 号: 12 ページ: 1965-1974
  • DOI: 10.1002/eji.201847658
  • 査読あり
• [雑誌論文] 赤痢菌による自然免疫抑制戦略の解明 (2017)
  • 著者名/発表者名: 芦田 浩、鈴木 敏彦、笹川 千尋
  • 雑誌名: 化学療法の領域 巻: 33 ページ: 1281-1288
• [雑誌論文] 病原細菌によるインフラマソーム制御戦略 (2017)
  • 著者名/発表者名: 芦田 浩、鈴木 志穂、鈴木 敏彦
  • 雑誌名: 細胞 巻: 49 ページ: 695-699
• [雑誌論文] Bacterial E3 ligase effectors exploit host ubiquitin systems (2017)
  • 著者名/発表者名: Ashida H & Sasakawa C
  • 雑誌名: Curr Opin in Microbiol 巻: 35 ページ: 16-22
  • DOI: 10.1016/j.mib.2016.11.001
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [学会発表] The interaction analysis between microbiota and bacterial pathogens (2018)
  • 著者名/発表者名: Hiroshi Ashida, Chihiro Sasakawa, Toshihiko Suzuki
  • 学会等名: The 17th Awaji International Forum of Infection and Immunity
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 腸管病原細菌感染戦略の横断的解析 (2018)
  • 著者名/発表者名: 芦田 浩、笹川 千尋、鈴木 敏彦
  • 学会等名: 第22回腸管出血性大腸菌感染症研究会
• [学会発表] Analysis of novel Shigella effector mechanism that regulate host cell death (2018)
  • 著者名/発表者名: Hiroshi Ashida, Toshihiko Suzuki
  • 学会等名: 第47回日本免疫学会学術集会
• [学会発表] 赤痢菌による新たな細胞死制御機構の解明 (2018)
  • 著者名/発表者名: 芦田 浩、鈴木 敏彦
  • 学会等名: 第91回日本細菌学会総会
• [学会発表] ワクチンおよび抗生物質代替創薬開発の基盤となる腸管病原細菌感染マウスモデルの構築とその機能解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 芦田 浩、鈴木 敏彦、笹川 千尋
  • 学会等名: 2017年度生命科学系学会合同年次大会
  • 招待講演
• [学会発表] EHECマウス腸管感染モデルの構築とその解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 芦田 浩、笹川 千尋
  • 学会等名: 第20回 腸管出血性大腸菌（EHEC）感染症研究会
  • 発表場所: 富山県民共生センターサンフォルテ
  • 年月日: 2016-11-10