研究課題
基盤研究(B)
本研究課題では、糖尿病とレプチン、抗腫瘍免疫を担うサイトカインであるTRAILの関係性について検証を行った。2型糖尿病モデルマウスの臓器サンプルを用い、TRAILおよびレプチンのmRNAの発現量解析を行った結果、糖尿病モデルマウスの臓器サンプルで、対照個体に比してTRAIL発現量が低くレプチン発現量が高いという結果が示された。また、ヒト正常末梢血単核球を対象にレプチンを添加することで、TRAIL産生量の減少が部分的に認められた。さらに糖尿病患者検体や腫瘍部において発現上昇が報告されている、アポトーシス抑制分子PEDに着目し、PED発現抑制成分のスクリーニングを行った。
本邦では複数の疫学研究の結果から「日本人糖尿病患者の癌罹患リスク増大」が報告され、重大な社会的問題として取り上げられているが、その分子機序については現在も十分に明らかとされていない。本研究課題の成果は、癌予防に寄与するサイトカインであるTRAILの発現低下が、その一機序の説明になりうるかもしれないことを示している。研究代表者らが取り組んでいる、TRAIL経路の活性化による癌予防法の提案・応用に向けて、今回の研究成果が生かせられると考えている。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 505 号: 4 ページ: 1203-1210
10.1016/j.bbrc.2018.10.050
Breast Cancer Research and Treatment
巻: 171 号: 1 ページ: 43-52
10.1007/s10549-018-4815-x
Oncology Reports
巻: 39 ページ: 627-632
10.3892/or.2017.6127