研究課題/領域番号 |
16H05339
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
金倉 譲 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20177489)
|
研究分担者 |
横田 貴史 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60403200)
土居 由貴子 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60722288)
織谷 健司 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (70324762)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2018年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2017年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2016年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
|
キーワード | 造血幹細胞 / リンパ球 / クロマチン構造調節蛋白 / リンパ球分化 / 自己複製能力 / 多分化能力 / 老化 / エピジェネティクス |
研究成果の概要 |
本研究では、造血幹細胞からリンパ球分化の初期段階を制御する分子機構を明らかにすることを目的に、全ゲノムの遺伝子発現を網羅的に制御するクロマチン構造調節蛋白Special AT-richsequence binding protein 1(SATB1)の機能に焦点を当てて解析を行った。造血幹細胞はSATB1の発現強度により生理的特質の異なる集団に細分化できること、SATB1はリンパ球系偏位の指標となること、造血幹細胞のSATB1発現量は自己複製過程において変容することが判明した。本研究成果は、生命物理学野において提唱されている「幹細胞のゆらぎ」の概念を、実際の生命現象として観察したと考えられる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
造血幹細胞は、全系統の血液細胞に分化する能力と自己複製能力を有し、生涯の造血を支える細胞である。機能的に均一な細胞集団という概念に基づき、高純度で分離する技術が確立されてきたが、最近の研究で高度に純化した造血幹細胞集団も、機能的に不均一な細胞から構成されていることが明らかにされつつある。我々の成果は、リンパ球を産生する能力が高い造血幹細胞の存在を明らかに証明するとともに、それらの分子細胞学的な特徴について、「幹細胞のゆらぎ」の観点から提示した。リンパ球を高率に産生する造血幹細胞の同定は、老化や疾患によって衰える免疫系の機能を回復させる方法につながり、今後の高齢化社会にとって極めて重要である。
|