研究課題/領域番号 |
16H05407
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
山田 高嗣 奈良県立医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20316061)
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研究分担者 |
植田 剛 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (40526810)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2018年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2018年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2017年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2016年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 再生医療 / インスリン / 糖尿病 / リプログラミング / 膵島 |
研究実績の概要 |
本研究は、膵島の発生に関与する3つの遺伝子(Ngn3、Pdx1、Mafa)を糖尿病マウスの膵臓に直接注射して、膵臓内で新たに膵島をリプログラムすることで糖尿病を治療することに成功した実績から、膵島の生体内リプログラミング技術の臨床応用の実現を目指して、より安全で低侵襲なアプローチが可能な臓器として、豊富な細胞数と高い細胞増殖能や 再生能力をもつ皮膚、皮下脂肪、筋肉などの体表組織に着目し、3つの遺伝子を直接注射することにより生体内で新たに膵島をリプログラミングして糖尿病を治療するという次世代の臓器再生医療を実現することを目的に計画した。初年度は、MIP-GFPトランスジェニックマウスから採取した細胞を用いて、in vitroで3つの遺伝子によりGFP陽性のインスリン産生細胞がリプログラムされることを明らかにすることを目的に研究を開始した。昨年の研究では、MIP-GFPトランスジェニックマウスの繁殖の過程で、ホモとホモを掛け合わせた場合、ワイルドタイプのマウスに比べて、妊娠率及び出産数が極めて低かったが、繁殖方法についてホモとワイルドタイプを掛け合わせることにより、出産率及び出産数の飛躍的な向上を認めた。また、開腹下にMIP-GFPトランスジェニックマウスの膵臓を実体顕微鏡で観察すると、膵島内のβ 細胞が緑色のGFP蛍光細胞の集合体として多数検出できたことから、β 細胞のリプログラミングは GFP 蛍光強度にて評価可能であることを確認した。しかし、MIP-GFPトランスジェニックマウスの脂肪細胞(脂肪由来幹細胞)及び筋芽細胞の初代培養細胞の樹立は依然困難であった。一方、皮膚線維芽細胞に関しては樹立は可能であったが増殖能がきわめて高すぎるため、遺伝子導入に用いるには困難であると判断した。in vitro実験については、継代培養に関して多くの問題点が見つかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究計画は、インスリンプロモーターの下流にGFP遺伝子を組み込んだMIP-GFPトランスジェニックマウスを用いて、皮膚線維芽細胞、皮下脂肪細胞、筋芽細胞を樹立して、in vitroで3つの遺伝子によりGFP陽性のインスリン産生細胞がリプログラムされることを明らかにすることを目的に開始した。しかし、当初予期していなかったこととして、まずMIP-GFPトランスジェニックマウスの繁殖の過程で、ホモとホモを掛け合わせた場合、ワイルドタイプのマウスに比べて、妊娠率及び出産数が極めて低かった事が、実験の遅れに影響した。また、脂肪細胞(脂肪由来幹細胞)及び筋芽細胞の初代培養細胞の樹立の困難さも、実験計画の時点では予期していなかったことで、本研究の進捗に影響を及ぼした。これらの細胞は、継代培養が困難なため、in vitroの実験に用いいることに困難性があるものと考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の今後の推進方策としては、in vitroにおいて、脂肪細胞(脂肪由来幹細胞)及び筋芽細胞の初代培養細胞の樹立は不安定であるため、今後はin vivo の実験に焦点を絞って行うことにより研究を推進したいと考えている。豊富な細胞数と高い細胞増殖能や 再生能力をもつ皮膚、皮下脂肪、筋肉などの体表組織に着目し、3つの遺伝子を直接注射することにより生体内で新たに膵島をリプログラミングして糖尿病を治療するというin vivo を中心とした研究を推進していきたいと考える。
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