研究課題
基盤研究(B)
本研究では、炎症関連 miR-223 機能解析を行った。その結果、miR-223 欠損(miR-223Y/-)好中球は、過剰な活性化と相まって、無菌性皮膚創傷治癒を遅延させることをみいだした。一方、S. aureus 感染 miR-223Y/- マウスは、膿瘍形成の促進を伴って、皮膚創傷治癒が促進した。また、miR-223 標的遺伝子である Interleukin-6 の発現上昇を認めた。miR-223 KO 好中球移植及び miR-223 アンチセンスオリゴ塗布は、S. aureus 感染創を改善した。好中球における miR-223 の発現は、転写因子 C/EBPα によって制御されていた。
本研究では、感染を具備した炎症・組織修復並びに治癒後に生じる瘢痕形成の分子メカニズムの一端を解明できた。そして、黄色ブドウ球菌感染創改善効果のあるアンチセンスオリゴ(分子標的医薬)及び細胞移植法を開発した。本研究成果は、創傷治癒促進・瘢痕形成減弱・治癒後の精神的ストレスからの解放(いわゆる見た目の美しさ)に寄与すると考えられる。そして、世界中に存在する上記症状をもつ人々の悩み克服に繋げたい。また、医療費削減効果及び貧困地域への低価格な医療提供を介して社会貢献にも繋げる。
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