研究課題
基盤研究(B)
敗血症により生じる心筋障害をはじめとする同時多発的な全身の臓器障害は感染を契機としたサイトカインの過剰産生による血管内皮細胞障害が原因と考えられている。この原因が感染により生じる好中球、特に好中球エラスターゼであることを確認した。好中球の作用を抑え、強い抗炎症作用を持つステロイド治療は有効と考えられる一方で、全身投与により続発性感染症発症率が増加させるためコンセンサスを得られていない。本研究では環状ペプチド CARSKNKDC が敗血症による血管内皮障害部位に特異的に集積することを明らかにし、ステロイドとの供投与により敗血症性血管内皮障害を起因とする心機能障害を抑制することを明らかにした。
正常血管の内腔表面には血管内皮細胞があり、血流維持により生命が維持されているのですが、感染症により血管内皮細胞が障害されると血流が障害され、全身の臓器が障害されます。この状態を敗血症といいます。現代医学では同時多発的に生じた全身の臓器障害に対する直接的な治療方法がありません。本研究では敗血症の原因が好中球という本来病原体を攻撃して生命を守る白血球の一つが過剰に反応することで臓器障害をきたしていることを明らかにしました。また、生じた血管内皮障害の部位のみに集まるペプチドを用いて副作用が少なく少量の薬剤で効率よく治療できる方法を検証しました。この治療法は敗血症の新規治療になりえる可能性があります。
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