研究課題/領域番号 |
16H05622
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
環境動態解析
|
研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
内田 雅己 国立極地研究所, 国際北極環境研究センター, 准教授 (70370096)
|
研究分担者 |
米村 正一郎 県立広島大学, 生物資源科学部, 教授 (20354128)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2017年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2016年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
|
キーワード | 極地 / 土壌呼吸 / 二酸化炭素 / ツンドラ / 炭素循環 / ツンドラ生態系 / 冬期 / 連続測定 / 土壌CO2フラックス |
研究成果の概要 |
北極ツンドラ生態系の土壌中の二酸化炭素(CO2)濃度の通年観測行い、冬期、土壌温度が氷点下になっているにも関わらず、CO2濃度はダイナミックに変化していた。その要因としてRain-on-Snow(ROS)イベントの関与が本研究で始めて明らかになった。土壌からのCO2放出に与えるrain-on-snowの影響を評価したところ、2016年から2017年にかけた冬期の場合は、CO2放出量を1割上昇させていると推定された。年間の土壌CO2フラックスの高精度推定のため、本研究により新たにモデルを構築したが、ROSや融雪時期のフラックス推定には新たなCO2動態メカニズムを組込む必要性が明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、土壌中の二酸化炭素濃度は、土壌が凍結している冬期において、大きく変動していることを初めてあきらかにした。その変動の要因として、マイナスの温度域からプラスの温度域にまで上昇する急激な温度変化が考えられた。この温度変化の際には降雨が見られるため、北極域ではRain-on-Snow(ROS)イベントとして知られている。このROSイベントにより、地表面に氷の層が形成され、トナカイがエサを食べられなくなることが問題となっている。本研究において、ROSが土壌からのCO2放出量を増加させることが示唆されたことから、炭素循環の視点からも重要なイベントであることを本研究で初めて示すことができた。
|